絶対、好きになれない。
今日は才加は秋人くんと帰るし、
大知も部活、
東雲先輩はバイトなので、ひとりぼっち。

なので放課後ものろのろと
最後の授業のノートをまとめて
ふう、とため息をついた頃
隣からすごい視線を感じた。

『わっ、叶くん!』

クラスの中で残っていたのは
わたしの叶くんだけだった。

窓の外からは
部活動をしているひとたちの
賑やかな掛け声が聞こえるだけで、
しんとした教室。

「高峰って、やっぱりあの子なんだ。」

『え?』
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