絶対、好きになれない。
『無理です!男の人とお付き合いなんて考えられないしーーーっ』

「大事にする。」

抱きしめられた。
あ、叶くんのドキドキが伝わってくる。
からだが熱い。
本当に不思議なのは押しのけれないこと。

けどけどーーー

『嬉しいけど、ーーーこわいの。』

「なんで?」

『こわいの。今は、言えないよ。』

過去を話す勇気もなければ、
いまのこの姿に対して
どうしても話す勇気が持てなかった。

彼にはどこかしら惹かれている。
無意識のうちに
触れられても嫌悪を感じない。

だけどーーー

東雲先輩の顔が浮かぶ。

あのひとになら
なんでもぶちまけれたのに、なんでだろう。
< 46 / 136 >

この作品をシェア

pagetop