絶対、好きになれない。
この、わたしの「外見」だけで
ジロジロ見られる感じが、生理的に無理なのだ。
そのときに改めて実感した。

普通通りにしていた身体が硬直して
顔を上げることすらできない。

「高峰さんって、高峰百合なんだ?」

「同姓同名って聞いてさ。まさか、そんな格好してるとわかんないし。」

聞いてる?と顔を覗き込む彼。

『ひっーーーー!』

思わずガタガタ震えてしまう。
こわい。

そんな様子に気づかずに近づいてくる彼ら。

「ね、眼鏡とってみてよ。」

「なんでそんな美人な顔隠してるかなあ。」
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