絶対、好きになれない。
「おい、やめろよ。」

隣に座っていた、いつも静かな叶くんが
嫌そうな顔を剥き出しにして
彼らの前に立ちはだかる。

少し声を荒げたからか
クラスはざわざわとこちらに視線を寄せる。

「嫌がってる。」

「おい、お前だって好きだったって言ってたじゃん。会いたかった子が隣の席でよかったな。」

「いちいち事を荒だてんな。迷惑だろ。」

「は?彼氏かよ。」

叶くんとそのふたりの友達が
剣幕な顔で睨み合ってる。

「彼氏だよ。」

「は?」

え?
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