絶対、好きになれない。

彼は、同じクラスの注目の的である。

叶聖(かのうひじり)っていう名前だと
わたしの頭の中では認識している。

騒がれてるわりに
女の子たちは近寄りもせず眺めてるだけ。
なんとなく、近寄りがたい印象。
少し、騒がれてるのも
鬱陶しそうにしてるタイプ。

「うう、叶くんかっこいい。」

『でも才加ってば、もう1人言ってなかった？』

そうそう、と才加は目を輝かせる。

「2年の、東雲先輩ね！」