絶対、好きになれない。
『いいな、って思います。』

「じゃ、俺ともドキドキしよ?」

と言うとちょっと散歩してくるね、と
仲間に告げるとわたしの手を引いて立ち上がる。

わ、手が熱い。
しっかりと指を絡めて繋がれる。
よく見るドラマのシーンみたい。

「百合ちゃんと、キスしたいんだよね。」

『は、い?!』

さっき不意にもほっぺのキスは
奪っていったけど。

「さっきしたら、もう気持ち止まんなくて。好き。ほら、俺の顔ーーー見たら、百合ちゃんのことどれくらい好きかわかるでしょ?」

パッと彼に視線を合わせると
切なそうな、はにかんでるような顔。

『わ、かんないですよーーー』

それが恋愛初心者には「好き」の
表情なのかは、わかんなくて。

「好き。すっげえ好き。友達になった日から、おかしいもん俺。」

夕日に照らされて金髪がキラキラ光ってる。

「こんなにーーー、誰かを欲しいって、そばにいたいって、守ってやりたいっておもったの、初めてだから。」
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