絶対、好きになれない。
『東雲先輩、わたしーーー』

「百合ちゃん、ごめんなさい。」

わたしが誤解をとこうと話しかける前に
先輩が深々と頭を下げた。

「百合ちゃんの話もちゃんと聞けなくって。用事あるとか言って、叶に百合ちゃんのこと押し付けて。ごめんなさい。」

『いや、あの!悪いのはわたしですよね?なんか、東雲先輩怒らせるようなことしちゃったわけだし!』

と話していると
玄関がガチャリと開いてわたしの母が出てくる。

「あらあら、おかえりなさい。お友達?まだお話があるなら、お部屋に上がってもらいなさい。」

「いえ、すいません。お嬢さんを遅くまで連れ回して。東雲楓と言います。」

あらあら、とまた続けるお母さん。

「お話ならあがってください。送っていただいてありがとうございます。東雲さんのおはなし、百合からも伺ってますから。さ、どうぞ。」

バイクを敷地内に止め直して
改めて挨拶をすると
わたしと先輩は、わたしの部屋へ。
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