絶対、好きになれない。
「なんか急展開で、戸惑ってるけど。お母さんに俺の話してくれてたんだな。ありがと。」

嬉しそうにクシャと笑う東雲先輩。
先ほどの謝ってるときの
苦しそうな先輩より、こっちが好きだ。
なんとなく、ほっと安堵する。

『すごく良くしてもらってるのって、結構おしゃべりしちゃってるかもです。』

「恥ずかしいな。」

『変なこと言ってないですからねっ!』

と言った途端キョロキョロする先輩。

「ここが、百合ちゃんの部屋かあ。なんかスッキリしてるね。イメージ通りかも。」

大知以外の男の人が入るのって
そういえば初めてかも。

「ーーーと、だから、俺は、謝りたくって来たんだよ。」

そう、海辺でのあのときのこと。

『いえ、わたしが謝らなくっちゃ....』
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