佐藤さんは厄介だけど…

店長からアイスコーヒーと小倉トーストを受け取り、佐藤さんの所へ運んでいく。


「お待たせいたしました。アイスコーヒーと小倉トーストになります。」


「あ、どうもありがとう。これもちゃんと覚えてたんだね。」


「覚えてなくても、店長が既に作り始めているので関係ないですけどね。」


「そっか。冬雪ちゃんは忘れてたってことか。」


「いや、忘れてはないです。」


「ホントかなー?」


「ホントですー。」


「まぁ、冬雪ちゃんは若いからすぐ覚えられるか。」


「その通りでございます。」


「ははっ、若いっていいね。」


「佐藤さんも若いじゃないですか。」


「えー、僕なんて、もうおじさんだよ。」


「20代の人が何言っているんですか。おじさんだなんて、まだ早すぎますよ。」


「え、そうなの?冬雪ちゃん世代から見たら、僕なんておじさんかと思った。」


「あー、んー、それは…。まぁ、人によるかも知れませんね…。」


「そうなんだ。若い子は手厳しいね。」


「私は全然おじさんだとは思いませんよ。」


「ありがとう。」


優しい笑顔を後にして、「では、ごゆっくりどうぞ。」と言って帰ってきた。


長く話してしまったな。喋りすぎちゃったかな。少し反省。でも、20代はまだおじさんじゃないよね?





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