佐藤さんは厄介だけど…
その日は何だか忙しかった。
あっという間に佐藤さんが帰るお昼時になって、「ごちそうさまでした。」と佐藤さんが帰ったあとも忙しかった。
やっとピークが過ぎた夕方、店長と「何で今日はこんなにも忙しかったんだ?」という話をした。
話も尽きてきた頃、ふと佐藤さんを思い出した。
佐藤さんっていつからここに通い始めているんだろう。
というか、ここって何年前からあるんだろう。
ちょうど、お客さんもまばらになってきたので店長に聞いてみた。
「店長、いつからお店始めたんですか?」
「んー、多分20年前くらいじゃないか?」
「多分…。」
「この年になると20年も25年も同じなんだよ。冬雪、細かいことは気にしないのが大事だぞ!」
「え、店長って何歳ですか?」
「何歳に見える?」
「んー、63歳くらい。」
「冬雪、当ててどうする。」
「やったー。」
「若いだろ?」
「若い。」
「だろ〜?そうだろ〜?」
店長ってやっぱり子どもっぽいところあるな。おじさんくさいけど、どこか憎めないところがあるから不思議だ。私ってもしかしておじ専なのか?