佐藤さんは厄介だけど…
段々バイトも慣れてきた頃、いつものように佐藤さんがきた。
何の計らいか分からないが、店長曰く「若い子には若い子がいい」ということで、いつも店長が接客する佐藤さんをこの日は私が接客したのが始まりだ。
「いらっしゃいませ。」
「こんにちは。」
爽やかなあいさつをされて、ドキッとしたのを覚えている。普通にしていれば、普通にカッコイイのだから仕方ない。
「いつものをお願い出来ますか?」
いつもの…。
いつものって何だろう。
そのいつもは店長がしているから、入りたての私には全く分からない。
それが伝わったのだろう。
「いつものって言っても分からないですよね。ごめんね。アイスコーヒーと小倉トーストをお願い出来ますか?」
「こちらこそ、把握できてなくて申し訳ございませんでした。すぐ、用意します。」
そういって店長に伝票を渡した。
まぁ、店長はもう作り始めてたけど。