赤い刻印 - Secret Love -【続編】
「あれ?一沙ちゃん?」

受話器の向こうから聞こえてきたのは先生のお父さんの声。

「お父さん!」
「久しぶり。明仁いる?携帯に電話しても繋がらなくて」
「あ、昨日から出張なんです。忙しくて電話に出れないのかも」
「そうか…」
「何かあったんですか?」

お父さんの声がいつもと違うことに気づいて胸騒ぎを覚える。

「実はおばあちゃんが体調を崩してね」
「…!」
「肺炎をこじさせてしまって一時は危ない状態だったんだ」
「おばあちゃん大丈夫なんですか?」
「今は何とか。明仁にも一応伝え…」
「私、今から行きます!」

お父さんは大丈夫と言っていたけど、無性に心配になって電車に飛び乗った。


***


「おばあちゃん!!」
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