赤い刻印 - Secret Love -【続編】
「一沙ちゃん?どうしんだい」

病室のベッドに座りながらキョトンとした顔で私を見るおばあちゃん。
その姿を見て全身の力が抜けてしまった。

「どうしたって、連絡もらって私慌てて…」
「もうだいぶ楽になったのよ。和明は大げさだね」
「良かった…」

ポロポロと涙が溢れてくる。
お父さんはもう大丈夫と言っていたけどやっぱり心配でたまらなかった。
床に座り込んだ私の頭を優しく撫でるおばあちゃん。
その顔は前に会った時よりも少しだけ痩せていた。

「明仁とは仲良くやってる?」
「うん!」
「それは良かった」

おばあちゃんが病室から見える桜の木を見ていることに気づいた。

「どうしたの?」
「来年の桜、見れるかねぇ」
「…!」
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