赤い刻印 - Secret Love -【続編】
私は幼いことから父親のDVに耐え続けてきた。
そしてそれを見て見ぬふりをしてきた母親。
ずっと"家族"に対して何の希望も持てなかった。
そんな心を救ってくれたのは先生だけだったー。

「あとね、相手が村田先生じゃ修二さんもOKしないと思うよ」
「…」


***


「…さ?一沙?」

気づいたら先生の顔がすぐ目の前にあった。

「ボーッとしてる。具合でも悪いのか?」
「ううん。大丈夫」

あれから1週間。
久しぶりに先生と2人で過ごしているのに、どうしても"あのこと"を考えてしまう。
おばあちゃんの言葉と切ない表情が頭を離れない。

「この間は悪かったな。わざわざ病院まで行ってくれたんだろ」
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