赤い刻印 - Secret Love -【続編】
まだどこかで子ども扱いされていることが悔しくて、私は思わず先生のセーターを引っぱった。

「私、本気なんだけど?」

テレビを観ていた先生が私のほうを振り返る。
とりあえず冗談ではないことは伝わったらしい。

「ばあちゃんが言ったこと気にしてるのか?」
「それもあるけど…」
「学校は?お前、資格取って卒業後は飲食関係の仕事したいって言ってただろ。いつかは自分の店を持つのが夢だって」
「結婚してても卒業や就職はできるもん」

そう言うと先生は困ったような表情を浮かべた。
無理もない。
いきなり結婚だなんて言われても困るに決まってる。

「結婚は焦ってするものじゃないだろ」
< 120 / 164 >

この作品をシェア

pagetop