赤い刻印 - Secret Love -【続編】
まるでドラマのような光景にボーッと見とれてしまう。
高校の時も同じようなことがあったな。
和也にしつこくされている時、先生が彼氏のふりをして助けてくれたんだっけ。

「先生かっこよすぎる」
「は?何言ってんだ」

先生は苦笑しながら私の首にマフラーを掛ける。

「探したよ。お前足速すぎだろ」
「ごめんなさい」
「無事で良かった…」

ギュッと抱き寄せられて、先生の甘い香りが鼻一杯に広がる。
先生は私を抱きしめたまま一向に離してくれない。

「先生?」

周囲の視線を感じて体を引き離すと、先生は泣きそうな顔をしていた。
その表情にギュッと胸が締め付けられる。

「怒鳴ったりしてごめん」
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