赤い刻印 - Secret Love -【続編】
「私のほうこそ…」
「指輪のこと親父に電話で聞いたよ。そりゃあ、こんなのもらったら重すぎて悩むよな」

先生はそう言ってポケットからジュエリーケースを取り出した。

「事情は分かった。でも、震えながら結婚しようとか子ども作ろうって言われてもなー」
「は!?震えてないもん」
「はは、無理するな」

子どもをあやすように頭をポンポンと撫でられて、私はプゥッと口を膨らませた。
いつまでも子ども使い、生徒扱いなんだから…。

「一沙。俺の気持ち聞いてくれる?」
「何?」
「俺を選んだことで、お前の将来や家族との関係が犠牲になるのだけは避けたいんだ」

…知ってるよ。
< 132 / 164 >

この作品をシェア

pagetop