赤い刻印 - Secret Love -【続編】
先生はいつもそれを考えてくれていた。
「ちゃんと高校卒業しろ」「千葉に来るならこっちで進学先探せ」って。
駆け落ち同然で一緒になることもできたのに。
それをしなかったのは私のことを考えてだろう。
いつか一番良い形で幸せになれるように。


「いつもそうだね。私のことばっかり…。先生が犠牲になるのはいいの?」

先生だって私を選んだことで色んなものを失ったのに。

「俺はいいんだよ。全部自分の意思で決めたんだから」
「私だって自分で決められるもん!もう子どもじゃないんだから」

口を尖らせると先生がフッと微笑む。

「さっきの話。俺も一沙と同じ気持ちだからな」
「え?」
「だーかーら。結婚したいのはお前だけってこと」
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