赤い刻印 - Secret Love -【続編】
「中途半端は嫌だ。きちんと学校卒業してできれば料理関係の仕事をしたい。夢のまた夢だけど、いつかは自分のお店持てたらと思ってる」

昔の私には大切な人も夢も、何もなかった。
周囲の人に合わせて毎日をただ消化するような生き方しかできなかった。
でも、先生が私を変えてくれたんだ。

料理は昔から得意だったけど、喜んで食べてくれるおばあちゃんや先生のおかげでそれを仕事にしたいと思えるようになった。
自分の作る料理で誰かを幸せにできる喜びを知ったから。

「でも、やっぱり先生が一番だから。全部欲しいっていうのは欲張りかな…?」

恐る恐る先生のほうを見上げると、ポンと優しく頭を撫でられた。
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