赤い刻印 - Secret Love -【続編】
「全然欲張りじゃないよ。焦らずにひとつずつ叶えていこう」
「…うん」
「一緒にな」
「一緒に?」
「一沙の夢は俺の夢でもあるから」

そう言って優しく微笑む先生。
イルミネーションの光に照らされてるその姿が、いつも以上にかっこよくてつい見とれてしまった。

「……くさい」
「何だよ、人がせっかく…」
「先生って前からそんなキャラだったっけー?」

からかうようにそう言うと、先生は照れくさそうな表情をして私から背を向けた。

「…忘れた。ほら、帰るぞ」

差し出された手をギュッと握る。
その手はひんやりと冷たくて、私を探し回っていてくれたことが分かる。

「先生、お風呂上りだったのに風邪引いちゃったらどうしよ」
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