赤い刻印 - Secret Love -【続編】
テーブルにコップを置いてからピタッと密着するように座る。
肌と肌が触れ合って、先生が少し汗ばんでいるのが分かった。
それでも先生は特に反応せずにテレビ画面をじっと見つめている。
…なかなか手ごわい。

「ちょっとタバコ吸ってくる」

先生はそう言ってテーブルの上に置いてあったタバコに手を伸ばす。
私もほぼ同時に手を伸ばして先生の腕を掴んだ。

「ここでいいよ」
「でも…」

1日に数本しか吸わないタバコ(それならいっそ禁煙しろと思う)。
私と一緒にいる時に吸ったことなんてないのに。
先生は明らかに動揺しているようだ。

「離れたくない」

私はそう言って上目遣いで先生を見上げた。
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