赤い刻印 - Secret Love -【続編】
ちょっとした偶然の積み重ね。
その小さな出来事、
関わった人が一人でもいなかったら、今私たちはこうして一緒にいないかもしれない。

「俺は今幸せだから。教師としては失格だろうけど何の後悔もしてないし、関わった全ての人に感謝してる。もちろん香川にも」
「先生…」
「香川、これからも一沙のいい友達でいてやってくれな」
「はい!」
「はいはい。余談はその辺にして村ちゃんも着替えてきて!」

文幸が私たち3人の間に割って入ってきた。

「村ちゃんのタキシードは隣の会議室ね。ほらほら」

文幸に背中を押されながら半ば強引に廊下へと連れて行かれる先生。
少し困ったような表情でこっちを振り返った。
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