赤い刻印 - Secret Love -【続編】
何だか照れくさくて俯いていると、廊下のほうからガヤガヤと賑やかな声が聞こえてくた。

「先生も準備終わったぞ!」

部屋に入ってきたのは文幸とタキシード姿の先生。
少し光沢のあるグレーのタキシードがよく似合ってる。

「先生、かっこいい…」

ついそんな言葉を口にすると、先生は照れくさそうに私から視線を外した。

「バカップルかよ。今日は俺が神父役やるから」
「は!?文幸が神父役って大丈夫なの?」
「何とかそれっぽくやる。でも結婚指輪がないと雰囲気出ないかなー」
「これならあるぞ」

先生が取り出したのはお母さんの形見の指輪だ。

「じゃあそれでいこう。ほら、一沙行くぞ」
「うん…」
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