赤い刻印 - Secret Love -【続編】
改めて2人でおばあちゃんの前まで行くと、おばあちゃんは私の左手をギュッと握った。

「2人とも本当にありがとう。これで思い残すことはないわ」

おばあちゃんの目には涙が溢れている。
本当に幸せそうな笑顔。
そんなおばあちゃんの顔を見て、私の瞳からも自然と涙がこぼれた。

「おばあちゃん。明仁さんのことは私に任せてね!」
「一沙ちゃん、頼むね」

いつも先生と呼んでいるから、明仁さんだなんてすごく照れくさい。

「私が必ず幸せに…。あれ、何か変かな?逆じゃない?」
「そうだよ、明仁!お前が幸せにするほう!!」

先生の左腰におばあちゃんの強烈なパンチが入る。

「いてて…。分かってるよ、ばあちゃん」
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