赤い刻印 - Secret Love -【続編】
「ずっと駄目な母親でごめんね?村田先生、一沙のことをよろしくお願いします」

そう言って先生のほうに深く頭を下げた母親。
その姿にギュッと胸が締め付けられた。

「こんなこと言う資格ないような母親ですけど。大事な一人娘をよろしくお願いします」
「…っ」

こんなのずるい。
父親からの虐待を見て見ぬふりをしてきた母親。
その後もずっと放置されていて、正直母親のことが嫌いだった。

でも、彼女は彼女なりに悩んでいたのかなー?
何だかんだ言っても世界に1人しかいない私のお母さんだから、
こんな風に認めてくれたことは本当に嬉しい。

「一沙さんを必ず幸せにします。約束します」

先生の言葉にまた涙が溢れた。
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