赤い刻印 - Secret Love -【続編】
「海外セレブ捕まえて玉の輿に乗るんだって意気込んでたよ」
「あはは、美雪先生らしい」
「だろ?じゃあ行くか」

先生が私のほうに右手を差し出す。
その手をギュッと握り、2人肩を並べて歩き出した。

「ばあちゃん、あれから前向きに治療受けてくれてるみたい。おかげでがんの進行もゆっくりになってるらしい」
「本当?」
「ああ、春は乗り越えられそうだって。またお見舞行こうか」
「うん!」

おばあちゃんと少しでも多くの思い出を作りたい。
1日でも長く。

「春といえばさ、社宅出ようかと思ってるんだ」
「えー、何で?社宅のほうがお金掛からなくていいじゃん」
「一沙もその方がいいと思って…」
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