赤い刻印 - Secret Love -【続編】
私が名前を呼ぶと、先生が驚いたように振り返った。
声の大きさに驚いたのか、それとも突然の名前呼びに驚いたのかは分からない。
多分両方だろうけど。

私はそのまま先生の胸に飛び込んだ。
勢いよく飛び込みすぎて先生がバランスを崩す。

「うわっ!いきなりどうしたんだよ。急に名前で呼ぶし」

先生は困ったように周囲をキョロキョロと見回している。
日曜の昼間だから歩いている人が多い。
でも、今の私にはそんなことどうでも良かった。

「これからは明仁って呼ぶ。あとね、一緒に暮らし始めたら毎朝ご飯とお弁当作るから!」

矢継ぎ早にそう言うと、先生はフッと微笑んで私の体を包み込んだ。
< 163 / 164 >

この作品をシェア

pagetop