赤い刻印 - Secret Love -【続編】
ゆかりが不思議そうに私の顔を覗き込んでいる。

「あ、ちょっとね。高校の時お世話になった家庭科の先生」
「そうなの?すごい偶然だねー」

無理して作り笑いをしたけど心の中は全く笑っていない。
どうして美雪先生がこんなところに?
高校を辞めた後、出身大学の研究室で働いてるっていう噂は聞いたけど…。
まさかこんな風に再会するなんて。



「ねぇ!西高にいた矢沢さんよね?」

授業後、美雪先生に呼び止められた。

「名簿見てびっくりした。千葉の専門学校に進学したのね」
「はい。お久しぶりです」

お世話になったといっても3年前の話だし、週1の家庭科の授業で顔を合わせるだけだった。
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