赤い刻印 - Secret Love -【続編】
先生の涙
「矢沢さん」
渡り廊下で美雪先生から呼び止められた。
本当は会いたくなかったけど、週に1度彼女の講義を受けているから顔を合わせないわけにはいかない。
「課題のオリジナルレシピ提案、すごく良かったわよ!独創性があって」
美雪先生は笑顔でそう言って私の肩を叩く。
「ありがとうございます」
「矢沢さんは卒業後どうするの?料理の腕だけじゃなくてセンスもあるから、みんなが欲しい人材だと思うわ」
「えっと…」
専門学校に入学してまだ4ヶ月なのに…。
料理は好きだしそっち関係の仕事に就きたいとは思ってるけど、具体的なことは何も考えていない。
「夢とかないの?もしかして"村田先生"のお嫁さん?」