赤い刻印 - Secret Love -【続編】
しばらく沈黙の時間が流れて、美雪先生がプッと吹き出した。

「腐れ縁か。確かにそうだわー」
「あっ、ごめんなさい」
「何だか分かった気がする。明仁があなたを好きになった理由」
「?」

その言葉に首を傾げる。
美雪先生の言葉の意味がよく分からなかった。

「矢沢さん素直で良い子だから正直に言うね。この間、駅前でたまたま明仁と山口くんに会ったの」
「えっ?」
「もちろん少し挨拶しただけよ。黙ってて誤解されるのも嫌だし先に報告しとく」
「そうなんですか」

先生、何も話してくれなかったな…。
会うつもりないって言ってたから、言い出しにくかったんだろうか。
偶然なら仕方がないことなのに。
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