赤い刻印 - Secret Love -【続編】
「安心して。明仁にはもう何の感情もないからね」
「はい」
「ただね、正直に言うと少しだけ心残りがある」
「?」
「嫌いになって別れたわけじゃないから」

少しだけ切なそうにそう呟いた美雪先生。
嫌いになって別れたわけじゃないって…
一体どういうことなんだろう?
何だか胸騒ぎがするー…。


***


「一沙ちゃん久しぶり」

おばあちゃんが私の胸元に飛び込んできた。

「4ヶ月ぶりなのに大げさだな」
「おー。明仁もいたの?」
「ひどいな、ばあちゃん」

先生の夏休みを利用して地元に帰ってきた私たち。
おばあちゃんも久しぶりに先生と会えて嬉しそうだ。
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