赤い刻印 - Secret Love -【続編】
気づいたら先生の体を思いっきり突き飛ばしていた。

「あ……」

バランスを崩して床に転がり込んだ先生。
部屋の中が沈黙に包まれる。
涙で先生の表情がよく見えない。

「ごめ…」
「悪い」

先生は我に返ったように髪の毛を直して立ち上がった。
そして、近くにあったガーディガンを私の肩に掛ける。
そこでようやく自分が裸同然の格好であることに気づいた。

「飲みすぎた。今日は帰るわ」
「先生…」
「ちゃんと鍵閉めて寝ろよ。…おやすみ」

玄関が閉まって先生の足音が遠くなっていく。

どうしよう…?
先生のこと突き飛ばしてしまった。
< 60 / 164 >

この作品をシェア

pagetop