赤い刻印 - Secret Love -【続編】
「先生…」

先生に押さえつけられて赤くなった右手首を見つめる。
未だに手の震えが止まらない。

私どうかしてる。
一瞬でも先生とあの人(父親)の記憶が重なるなんて。
先生のこと傷つけちゃったー。


***


何だか頭がボーッとする。
結局、昨夜は一睡もできなかった。


「…ん?一沙ちゃん!?」
「は、はいっ!」

突然、店長の顔がどアップになって私は驚きの声を上げた。

「今日ボーッとしてるけど大丈夫?」
「すみません。大丈夫です」
「ああ、あと一沙ちゃんにお客さん」

店長の視線の先を追うと、そこにはコーヒーを飲みながら本を読んでいる先生がいた。
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