赤い刻印 - Secret Love -【続編】
何にも変わっていないのに、少しだけ距離を感じてしまうのは私だけ…?

「先生」
「ん?」
「今日、泊まってってもいい?」

不安を消したくて、気づいたら私はそんな言葉を呟いていた。
先生は少しだけ困ったような表情をしている。

「…今日は帰りな。後で送るから」
「…」

先生は優しい顔で私の頭をポンと撫でた。
そんな優しい表情で「帰れ」なんて言わないで。

「飯にしよっか。せっかく作ってくれたのに冷めたらもったいない」
「…ん」

食器を持ってリビングへと歩いていく先生。
その後姿が涙でうっすらと滲んでいく。


「先生…。有給取ってどこ行ってたの?」
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