赤い刻印 - Secret Love -【続編】
私の言葉に先生がゆっくりと振り返った。
やばい、そう思ったけどもう手遅れだ。

「たまたま山口さんに聞いた」
「そうか。ちょっとな…」

そう言葉を濁して再びリビングへと向かおうとする先生。

やっぱり私に言えない所ー?
先生はあの日どこで誰と会っていたんだろう?
その後姿が遠くて、悲しくて。
私は衝動的に先生のTシャツを引っ張っていた。


「先生。もし私のこと嫌になったなら遠慮なく言って…?」

精一杯明るく言ったつもりなのに、涙で声が掠れてしまった。
きっと今、ものすごく酷い顔をしてる。

「いつ嫌になったなんて言った?」
「だってあれからそっけないし。私に隠し事もしてる」
「…」
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