赤い刻印 - Secret Love -【続編】
「私、先生の重荷になりたくないから。だから…っ」

そう言った瞬間、ふわっと先生の香りとぬくもりを感じた。

「バカ…。逆だわ」
「え?」
「嫌になったのは自分自身に対してだよ」

苦しいくらいにギューッと抱きしめられて、数週間ぶりの先生のぬくもりにまた涙が出た。

「一沙の前だといつも冷静でいられなくなるんだよ」
「先生?」
「だって情けないだろ?元教え子に嫉妬した上にあんな酷いことして」

先生はそう言って頭を抱えてしまう。

「大事にしたいのに。だから少し距離置こうと思ったんだ」
「わ、分かりにくいっ!私がどんな気持ちで…っ」
「だよな…。余計に不安にさせてごめん」
< 76 / 164 >

この作品をシェア

pagetop