赤い刻印 - Secret Love -【続編】
眼鏡を押えるふりをして誤魔化しているけど顔が真っ赤だ。
こんな先生の姿、初めてかもしれない。

「俺ほんとダメな男だな…」

前から思っていたけど先生は恋愛に対してすごく不器用だ。
教師と生徒だったあの頃は想像もしていなかった。
先生は手が届かないくらい大人でクールな印象しかなかったから。


「あ、あれっ?じゃあ有給は?」
「ああ…。向こうで話そう」

先生の表情が急に真面目になった。
私をソファに座らせて先生もその横に腰掛ける。

「実はばあちゃんが入院したんだ」
「えっ!?」

先生の口から出た予想外の言葉にドキッとする。
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