赤い刻印 - Secret Love -【続編】
「お前にはまだ言わないほうがいいと思って内緒にしてた」
「何で?そんなに具合悪いの?」
「肝臓ガンらしい」
「…!」

私は言葉を失った。
先生は有給を取っておばあちゃんの病状を聞くために地元に帰っていたらしい。
最近何となく様子がおかしかった原因がようやく分かった。

「俺自身もこの間知ったばかりで戸惑ってる。あの夜もつい酒に逃げた」

だからあの夜、あんなにお酒の匂いがしたんだ…。

「いい歳して情けないよな」

おばあちゃんはずっと先生の母親代わりのような存在だった。
そんなおばあちゃんがガンだなんて冷静でいられるわけがない。
< 78 / 164 >

この作品をシェア

pagetop