赤い刻印 - Secret Love -【続編】
あの夜だって不安を抱えたまま会いに来てくれたんだろう。
それなのに私は……。

「情けなくなんてない」
「え?」
「先生はどうしていつもそうなの!?何でも1人で抱え込んで解決しようとする」

ソファに座ったまま先生の体をギュッと包み込んだ。

「先生からしたら子どもかもしれないけど、もう少し私を頼ってよ…っ?」
「一沙…」

先生の腕がゆっくりと私の背中に回った。
私は子どもをあやすように先生の頭をポンポンと撫でる。

「あとね、自分だけが不安だとか思わないで?」
「うん?」
「私だって美雪先生にヤキモチ妬いてるんだから…」
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