赤い刻印 - Secret Love -【続編】
先生がキョトンとした表情で私のほうを見上げる。

「美雪?それはもう過去のことだよ」
「分かってる。分かってるけど不安になるの!先生、寝言で美雪先生の名前呼ぶし」
「えっ!?」

驚いたようにソファから立ち上がった先生。

「マジで?」
「マジです。美雪ごめんって言ってた」
「…はぁ。ホント悪い」

そう言って再び頭を抱えてしまった。
今日の先生はコロコロと表情が変わる。

「アイツとは色々あってすっきりしない別れ方をしたんだ。別れた後も後悔っていうか、いつも心の中で引っかかるものがあった」
「そう…」
「でも、もう終わったことだから。今は一沙だけだよ」
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