赤い刻印 - Secret Love -【続編】
父親からのDVでついた火傷の跡。
この間、同じところを先生に噛まれてしばらく赤みが消えなかった。
先生の嫉妬の証だ。

「ううん。先生ならいいの。この間は少し怖かったけど」
「反省してます」
「…で」
「ん?」
「もっと強く先生を刻んで。先生が私の傷跡を変えてくれるんでしょ…?」

あの日の先生の言葉を思い出すように、私はゆっくりとそう言った。
過去は変えられない。
だから、苦しかったあの日々が消えるくらい誰かに愛されたい。
ずっとそう思ってたんだ。

「先生、もっと強くていいから。もっと来て…?」
「…っ、煽るな」
「…あっ」

体の奥で先生の質量が増すのが分かった。
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