赤い刻印 - Secret Love -【続編】
おばあちゃんの口から出た結婚という言葉に動揺を隠せない。

「け、結婚ってそんな…」
「だって2人ともお似合いよ?一沙ちゃんが明仁のお嫁さんになってくれれば安心だわ」
「…」
「明仁の母親がなくなってからずっと母親代わりをしてきたから。心残りはあの子だけ」

心残り。
その言葉にズキッと胸が痛む。
おばあちゃんはきっと自分の病状に気づいている。

「2人の結婚式を見るまでは私もがんばらなきゃね」
「何言ってるの!その先もずっと元気でいてよ」



「そうか。ばあちゃんがそんなことを…」

車に乗り込むなりタバコを取り出す先生。

「悪い。吸っていい?」
「うん」
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