さよならの時まで、笑顔で
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「あ、いえ。
先輩、ありがとうございましたっ」




沙織ちゃんはペコリと頭を下げて、保健室を出て行った。




私は、先生に「頭が痛いので、寝ます」と言って、またベッドに戻る。




ふと、沙織ちゃんとひーくんが並んでいる姿を想像してみる。




ーズキッ




頭ではなく、胸がいたい。




これから、ひーくんの傍にいるのは、沙織ちゃんなんだ...。




そう思うと、沙織ちゃんが羨ましくて仕方ない。




ひーくんと笑って、泣いて、喧嘩もできる。




私がまだ、生きていたらーーー。

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