さよならの時まで、笑顔で
.



悲しいという気持ちも、やっぱりかと思った。




「玲香は、もう家に帰れないってことですか?
好きなことも、できないのですか?」




お父さんが私の顔を、チラリと見ながら先生に聞く。




「はい。
玲香ちゃんの体は正直言って、限界です。
玲香ちゃんもそれは、わかってるよね?」




私は、小さくコクリと頷く。




「そん、な...っ」




お母さんは、ポロポロと涙を流し、お父さんは、ギュッと手を強く握っている。




「もう、いいです。」




小さく小さく先生に言う。

.
< 171 / 288 >

この作品をシェア

pagetop