さよならの時まで、笑顔で
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「玲香...っ」



ごめんね。



だってね。



ひーくんには、未来があるんだもん。



私のいない未来がーー。



私で止まってほしくないの。




「頼むから...俺をこれ以上、突き放さないでくれ...っ」




か弱そうな声色で、ギュッと再び私を強く強く抱きしめる。




それに答えたくて、ひーくんの背中に腕を回したい衝動に駆られる。




「俺の道を玲香が決めるな。
俺は、玲香といたいんだよ。」




ひーくん。

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