さよならの時まで、笑顔で
.



だから。

ありがとう。




「輝琉くんね、毎日毎日家に来ては、玲香に会わせてくれって言うの。」




本当に、毎日来てたんだ...。




「雨の日でも、傘なんてささないでよ?
もう、びっくりしちゃったんだからっ」




その時を思い出しているのか、クスクスと笑うお母さん。




「なんか、ひーくんらしいね」



「ええ、ほんとうに。
だから、もういいかなって思ったの。」



「うん」



「玲香がまだ輝琉くんのこと、好きなのわかってたし、輝琉くんは、こうして毎日来てくれる。
それが何よりも玲香を思ってくれてる証拠だと思ったのよ。」

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