さよならの時まで、笑顔で
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私のことは、最低なやつだったって。



そう思って、忘れてほしい。




そしたら。




「真海は、傷つかなくてすむでしょ?」




真海には、幸せになって欲しい。



悲しい思いを、してほしくない。




「それにね!
私には、ひーくんがいるから大丈夫だよ?」




私は、ひーくんの目を見て微笑む。




ひーくんが傍にいてくれるから、私は今もこうして病気と闘っていられる。




でも。




「玲香、ごめんな。」




ひーくんは、申し訳なさそうに、そう言って、病室の扉をガラッと開けた。

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