さよならの時まで、笑顔で
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榊さんは、そう言って、病室を出て行き、部屋に残るのは私だけ。




窓から空を見上げると。



「き、れい...」



透き通った綺麗な青い空が広がっている。




久しぶりに、外に行きたいな。




なんだかんだで、入院してから外に出てない。




時々、外が恋しくなるけど、私の身体のことを心配してひーくんが出してくれない。




その代わりに、ひーくんが撮ってきてくれた何の変哲もない写真を見せてくれる。




それが、最近の私の楽しみだったりする。



野良猫の写真だったり。



学校の風景だったり。

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