さよならの時まで、笑顔で
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今年は、雪が降るかな。
なんて、呑気なことを考えてみる。




――ガラガラ。




「あっ、ひーくん!」




おはようと言いながら、病室に入ってきたひーくん。




もうお昼?




時計に視線をやると、長い針が10を指していた。




まだ、お昼ではないよ、ね?




「玲香に会いたくて、早く来た。」




私の聞きたいことが分かったかのように、私の頭を優しく撫でながら、そう言ったひーくん。




ふふっ。



嬉しいな。

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