さよならの時まで、笑顔で
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俺は、服の袖で涙を軽く拭い、真海と尚人の方を向く。



二人とも、泣いている。




「尚人、真海」



「ん?」



「な、に?」




今の気持ちを、誰かに言いたい。
だから、ふたりに言おう。




「俺は、これからも玲香だけを想ってる。」



「今更、だな...?」



「知ってる、わよ...っ」




涙を流しながら少し怒っている真海と、涙目になりながら少し笑った尚人。

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